No.42(元)  : 

「元(フビライ)の中国支配の特色とは何か?」

州県制を用いたり、大土地所有制の佃戸制に寄生したりするなど、中国的だった。
しかし、地方長官はモンゴル人が独占し、官吏任用制度の科挙は一時的に中断
(すぐに再開)され、モンゴル人が支配身分であるモンゴル人第一主義でもあった。
財政に明るい色目人は支配身分とされたが、もと金の統治下の民である漢人と、
最後まで抵抗した南宋の民である南人は支配される側になった。

<評価の観点>
関心・意欲・態度:
中国全土を支配下に置いた初の征服王朝である、元朝が行った二重統治体制が、
既習の遼や金のそれとどのように異なるかについて、高い関心を持ちながら意欲的
に学習に臨んでいる。

思考・判断:

世界史上独特な民族別身分制度である、モンゴル人第一主義の内容と特質について、
支配層に位置付けられた色目人の役割を中心に、的確に判断している。

資料活用の技能・表現:

支配層と被支配層の序列を、ピラミッド型に整理した見取り図を完成させることにより、
まぎらわしい漢人と南人の区別がしっかりできている。

知識・理解:

「中国かぶれ」と非難されたフビライの中国的な内政にもかかわらず、元朝が約100年
間という短命で終わった大きな理由とされるモンゴル人第一主義について、基本的な
知識を身につけている。